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{"title":"通过粉体工艺的碳纳米管分散金属基烧结材料的特性;通过粉体工艺的碳纳米管分散金属基烧结材料的特性;Characteristics of Powder Metallurgy Sintered Metal Matrix Composite Reinforced with Carbonnanotubes","authors":"K. Kondoh, Bunshi Fugetsu","doi":"10.7791/JHTS.36.110","DOIUrl":null,"url":null,"abstract":"ナノスケールの新素材の代表ともいえるカーボンナノ チューブ(CNT)は、1970年代にその存在が確認され 、 その後、透過型電子顕微鏡による構造解析を中心にその物 性評価も含めた研究が盛んに行われた 。その結果、既存 の炭素系物質の特性を超越した優れた熱・電気および力学 特性 を有する CNTは日本発の新素材であるため、国内 でも製造方法に関する研究開発に加え、その特性・機能の 利用に関して幅広い分野での研究も盛んに進められてい る 。ゆえに、CNTの実用化への期待は高く、既存素材と して樹脂への分散強化 の他、金属材料との複合化による 新たな機能材料・構造部材の創製が期待されている。例 えば、銅の熱伝導率(390 W/m/K)を遥かに越える性能 を有する CNT-Cu複合材料や、アルミ合金並みのヤング率 (69 GPa~)を有する低比重 CNT-Mg合金など、既存材料 の基礎物性を飛躍的に向上させる可能性を秘めている。複 合材料の創製において CNTの分散方法も多岐に渡って検 討されており、溶解・鋳造合金における CNTの複合化も 検討されているものの、多くの研究においては金属粉体を 出発原料とする粉末冶金製法が基本となっている 。こ れはナノスケールの超微粒子である CNTを分散する際、 金属との比重差に起因した浮力によるインゴット内部での CNTの偏析を解消する狙いがある。なかでも比較的簡便な 分散方法として、回転ボールミルや遊星ミルなど混合・粉 砕法の利用による金属粉末への CNTの均一分散化 を図 るといった目的もある。しかしながら、長時間に渡る機械 的混合・粉砕加工に伴う CNTの損傷や不純物の混入に加え、 本来の CNTの凝集体形成の要因である最表面炭素原子間 の van der Waals引力によって混合処理後に再凝集現象を誘 発する。その結果、CNTの優れた機能・特性を金属素形材 に転写する以前に、その凝集部形成による材料欠陥を伴う。 したがって、複合化プロセスによって CNTの持つ本来の特 性を付与するには、凝集体を解消して CNTを 1本ずつ独立 (孤立単分散)した状態で金属粉末と混合する必要がある。 そこで、本報ではマグネシウムおよびチタンの各粉末を対 象に、粉体冶金法を基調とした新たな CNTとの複合化プロ セスによる金属材料の高強度化に関して紹介する。その際、 ここでいう「真」の機能発現のための必要条件である CNT の孤立単分散法に触れつつ、それを金属材料に展開する際 の課題と方策の一例について解説する。","PeriodicalId":113412,"journal":{"name":"Journal of High Temperature Society","volume":"19 1","pages":"0"},"PeriodicalIF":0.0000,"publicationDate":"1900-01-01","publicationTypes":"Journal Article","fieldsOfStudy":null,"isOpenAccess":false,"openAccessPdf":"","citationCount":"0","resultStr":"{\"title\":\"粉体プロセスによるカーボンナノチューブ分散金属基焼結材料の特性;粉体プロセスによるカーボンナノチューブ分散金属基焼結材料の特性;Characteristics of Powder Metallurgy Sintered Metal Matrix Composite Reinforced with Carbon Nanotubes\",\"authors\":\"K. Kondoh, Bunshi Fugetsu\",\"doi\":\"10.7791/JHTS.36.110\",\"DOIUrl\":null,\"url\":null,\"abstract\":\"ナノスケールの新素材の代表ともいえるカーボンナノ チューブ(CNT)は、1970年代にその存在が確認され 、 その後、透過型電子顕微鏡による構造解析を中心にその物 性評価も含めた研究が盛んに行われた 。その結果、既存 の炭素系物質の特性を超越した優れた熱・電気および力学 特性 を有する CNTは日本発の新素材であるため、国内 でも製造方法に関する研究開発に加え、その特性・機能の 利用に関して幅広い分野での研究も盛んに進められてい る 。ゆえに、CNTの実用化への期待は高く、既存素材と して樹脂への分散強化 の他、金属材料との複合化による 新たな機能材料・構造部材の創製が期待されている。例 えば、銅の熱伝導率(390 W/m/K)を遥かに越える性能 を有する CNT-Cu複合材料や、アルミ合金並みのヤング率 (69 GPa~)を有する低比重 CNT-Mg合金など、既存材料 の基礎物性を飛躍的に向上させる可能性を秘めている。複 合材料の創製において CNTの分散方法も多岐に渡って検 討されており、溶解・鋳造合金における CNTの複合化も 検討されているものの、多くの研究においては金属粉体を 出発原料とする粉末冶金製法が基本となっている 。こ れはナノスケールの超微粒子である CNTを分散する際、 金属との比重差に起因した浮力によるインゴット内部での CNTの偏析を解消する狙いがある。なかでも比較的簡便な 分散方法として、回転ボールミルや遊星ミルなど混合・粉 砕法の利用による金属粉末への CNTの均一分散化 を図 るといった目的もある。しかしながら、長時間に渡る機械 的混合・粉砕加工に伴う CNTの損傷や不純物の混入に加え、 本来の CNTの凝集体形成の要因である最表面炭素原子間 の van der Waals引力によって混合処理後に再凝集現象を誘 発する。その結果、CNTの優れた機能・特性を金属素形材 に転写する以前に、その凝集部形成による材料欠陥を伴う。 したがって、複合化プロセスによって CNTの持つ本来の特 性を付与するには、凝集体を解消して CNTを 1本ずつ独立 (孤立単分散)した状態で金属粉末と混合する必要がある。 そこで、本報ではマグネシウムおよびチタンの各粉末を対 象に、粉体冶金法を基調とした新たな CNTとの複合化プロ セスによる金属材料の高強度化に関して紹介する。その際、 ここでいう「真」の機能発現のための必要条件である CNT の孤立単分散法に触れつつ、それを金属材料に展開する際 の課題と方策の一例について解説する。\",\"PeriodicalId\":113412,\"journal\":{\"name\":\"Journal of High Temperature Society\",\"volume\":\"19 1\",\"pages\":\"0\"},\"PeriodicalIF\":0.0000,\"publicationDate\":\"1900-01-01\",\"publicationTypes\":\"Journal Article\",\"fieldsOfStudy\":null,\"isOpenAccess\":false,\"openAccessPdf\":\"\",\"citationCount\":\"0\",\"resultStr\":null,\"platform\":\"Semanticscholar\",\"paperid\":null,\"PeriodicalName\":\"Journal of High Temperature Society\",\"FirstCategoryId\":\"1085\",\"ListUrlMain\":\"https://doi.org/10.7791/JHTS.36.110\",\"RegionNum\":0,\"RegionCategory\":null,\"ArticlePicture\":[],\"TitleCN\":null,\"AbstractTextCN\":null,\"PMCID\":null,\"EPubDate\":\"\",\"PubModel\":\"\",\"JCR\":\"\",\"JCRName\":\"\",\"Score\":null,\"Total\":0}","platform":"Semanticscholar","paperid":null,"PeriodicalName":"Journal of High Temperature Society","FirstCategoryId":"1085","ListUrlMain":"https://doi.org/10.7791/JHTS.36.110","RegionNum":0,"RegionCategory":null,"ArticlePicture":[],"TitleCN":null,"AbstractTextCN":null,"PMCID":null,"EPubDate":"","PubModel":"","JCR":"","JCRName":"","Score":null,"Total":0}
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