{"title":"小儿重症监护下获得性虚弱及腰大肌横截面积缩小的病例","authors":"Shohei Hayakawa, Hideyuki Oritsu, M. Ohtsuka","doi":"10.3918/JSICM.28_469","DOIUrl":null,"url":null,"abstract":"患者は身長125 cm,体重40.3 kgの9歳の男児で,軽度 の知的障害はあるが,意志の疎通は可能で日常生活も自 立していた。神経筋疾患や呼吸循環器系の異常は認めな かった。今回,両側低形成腎・慢性腎不全に対して同種 生体腎移植術を受けた(Day 0)が,腹壁が緊満して閉腹 できず,開腹状態でICUに入室した。その後,静脈吻合 部に血栓を生じて移植腎の機能は徐々に低下した。Day 14に移植腎を摘出して閉腹したが,感染による創離開で 再度開腹状態となった(Day 18)。抗菌薬治療で感染炎 症は改善し,Day 22に再閉腹術を施行した。 Day 0からDay 22までは,腹圧上昇抑制のため持続鎮 静を行った。筋弛緩薬は投与せず,フェンタニル・ミダ ゾ ラ ム・ デ ク ス メ デ ト ミ ジ ン の 持 続 静 注 でState Behavioral Scale1)-1〜-2程度の安静を維持できた。 免疫抑制目的のメチルプレドニゾロン125 mg/dayを Day 0から投与し,漸減後Day 19まで投与した。超音波 検査で循環血液量を頻回に評価し,晶質輸液負荷または 利尿薬投与を適宜行った。経過中,心機能の低下は認め なかった。血清電解質は適宜測定して補正した。栄養は 経腸栄養を主体とし,総熱量最大34 kcal/kg/day,タン パク質最大1.2 g/kg/dayを病期に応じて投与した。血糖 値は,即効型インスリンの持続投与(2〜39単位/day)で およそ100〜180 mg/dLに管理した。 人工呼吸器の換気モードは主にプレッシャーサポート 換気とし,サポート圧は適正換気を維持できる最低圧に 調節した。Day 16のサポート圧は4 cmH2Oだったが, Day 23には12 cmH2Oを要し,人工呼吸器からの離脱は 困難だった。P/F比は187〜490だったが,体形と安静 に起因する無気肺によるものと考えられた。胸部単純X 線写真でも無気肺以外の異常所見を認めなかった。 四肢の筋力は全般的に低下し,Day 19のMedical Research Council (MRC)scoreは60点満点中38点と低 値だった。 以上より,心肺機能異常や神経筋疾患,中枢神経障害 を疑う所見がなく,人工呼吸器離脱困難であることと MRC scoreが低値であることからICU-AWと診断した。 一方,原病の治療のために施行した腹部CT検査では,第 3腰椎レベルの左大腰筋の断面積が術前の5.0 cm2から Day 20には4.1 cm2に減少していた(Fig. 1)。なお,腸腰 筋 断 面 積 はsliceOmatic 5.0 (Rev-2a, tomovision, Canada)で算出した。 理学療法士はICU入室時から介入した。当初は移植腎 CT検査で大腰筋断面積の縮小を確認できた ICU-acquired weaknessを合併した小児患者の1例","PeriodicalId":22583,"journal":{"name":"The Japanese Society of Intensive Care Medicine","volume":"73 1","pages":"469-470"},"PeriodicalIF":0.0000,"publicationDate":"2021-09-01","publicationTypes":"Journal Article","fieldsOfStudy":null,"isOpenAccess":false,"openAccessPdf":"","citationCount":"0","resultStr":"{\"title\":\"A case of a pediatric patient with ICU-acquired weakness and reduction in cross-sectional area of psoas muscle diagnosed using CT examination\",\"authors\":\"Shohei Hayakawa, Hideyuki Oritsu, M. Ohtsuka\",\"doi\":\"10.3918/JSICM.28_469\",\"DOIUrl\":null,\"url\":null,\"abstract\":\"患者は身長125 cm,体重40.3 kgの9歳の男児で,軽度 の知的障害はあるが,意志の疎通は可能で日常生活も自 立していた。神経筋疾患や呼吸循環器系の異常は認めな かった。今回,両側低形成腎・慢性腎不全に対して同種 生体腎移植術を受けた(Day 0)が,腹壁が緊満して閉腹 できず,開腹状態でICUに入室した。その後,静脈吻合 部に血栓を生じて移植腎の機能は徐々に低下した。Day 14に移植腎を摘出して閉腹したが,感染による創離開で 再度開腹状態となった(Day 18)。抗菌薬治療で感染炎 症は改善し,Day 22に再閉腹術を施行した。 Day 0からDay 22までは,腹圧上昇抑制のため持続鎮 静を行った。筋弛緩薬は投与せず,フェンタニル・ミダ ゾ ラ ム・ デ ク ス メ デ ト ミ ジ ン の 持 続 静 注 でState Behavioral Scale1)-1〜-2程度の安静を維持できた。 免疫抑制目的のメチルプレドニゾロン125 mg/dayを Day 0から投与し,漸減後Day 19まで投与した。超音波 検査で循環血液量を頻回に評価し,晶質輸液負荷または 利尿薬投与を適宜行った。経過中,心機能の低下は認め なかった。血清電解質は適宜測定して補正した。栄養は 経腸栄養を主体とし,総熱量最大34 kcal/kg/day,タン パク質最大1.2 g/kg/dayを病期に応じて投与した。血糖 値は,即効型インスリンの持続投与(2〜39単位/day)で およそ100〜180 mg/dLに管理した。 人工呼吸器の換気モードは主にプレッシャーサポート 換気とし,サポート圧は適正換気を維持できる最低圧に 調節した。Day 16のサポート圧は4 cmH2Oだったが, Day 23には12 cmH2Oを要し,人工呼吸器からの離脱は 困難だった。P/F比は187〜490だったが,体形と安静 に起因する無気肺によるものと考えられた。胸部単純X 線写真でも無気肺以外の異常所見を認めなかった。 四肢の筋力は全般的に低下し,Day 19のMedical Research Council (MRC)scoreは60点満点中38点と低 値だった。 以上より,心肺機能異常や神経筋疾患,中枢神経障害 を疑う所見がなく,人工呼吸器離脱困難であることと MRC scoreが低値であることからICU-AWと診断した。 一方,原病の治療のために施行した腹部CT検査では,第 3腰椎レベルの左大腰筋の断面積が術前の5.0 cm2から Day 20には4.1 cm2に減少していた(Fig. 1)。なお,腸腰 筋 断 面 積 はsliceOmatic 5.0 (Rev-2a, tomovision, Canada)で算出した。 理学療法士はICU入室時から介入した。当初は移植腎 CT検査で大腰筋断面積の縮小を確認できた ICU-acquired weaknessを合併した小児患者の1例\",\"PeriodicalId\":22583,\"journal\":{\"name\":\"The Japanese Society of Intensive Care Medicine\",\"volume\":\"73 1\",\"pages\":\"469-470\"},\"PeriodicalIF\":0.0000,\"publicationDate\":\"2021-09-01\",\"publicationTypes\":\"Journal Article\",\"fieldsOfStudy\":null,\"isOpenAccess\":false,\"openAccessPdf\":\"\",\"citationCount\":\"0\",\"resultStr\":null,\"platform\":\"Semanticscholar\",\"paperid\":null,\"PeriodicalName\":\"The Japanese Society of Intensive Care Medicine\",\"FirstCategoryId\":\"1085\",\"ListUrlMain\":\"https://doi.org/10.3918/JSICM.28_469\",\"RegionNum\":0,\"RegionCategory\":null,\"ArticlePicture\":[],\"TitleCN\":null,\"AbstractTextCN\":null,\"PMCID\":null,\"EPubDate\":\"\",\"PubModel\":\"\",\"JCR\":\"\",\"JCRName\":\"\",\"Score\":null,\"Total\":0}","platform":"Semanticscholar","paperid":null,"PeriodicalName":"The Japanese Society of Intensive Care Medicine","FirstCategoryId":"1085","ListUrlMain":"https://doi.org/10.3918/JSICM.28_469","RegionNum":0,"RegionCategory":null,"ArticlePicture":[],"TitleCN":null,"AbstractTextCN":null,"PMCID":null,"EPubDate":"","PubModel":"","JCR":"","JCRName":"","Score":null,"Total":0}
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A case of a pediatric patient with ICU-acquired weakness and reduction in cross-sectional area of psoas muscle diagnosed using CT examination
患者は身長125 cm,体重40.3 kgの9歳の男児で,軽度 の知的障害はあるが,意志の疎通は可能で日常生活も自 立していた。神経筋疾患や呼吸循環器系の異常は認めな かった。今回,両側低形成腎・慢性腎不全に対して同種 生体腎移植術を受けた(Day 0)が,腹壁が緊満して閉腹 できず,開腹状態でICUに入室した。その後,静脈吻合 部に血栓を生じて移植腎の機能は徐々に低下した。Day 14に移植腎を摘出して閉腹したが,感染による創離開で 再度開腹状態となった(Day 18)。抗菌薬治療で感染炎 症は改善し,Day 22に再閉腹術を施行した。 Day 0からDay 22までは,腹圧上昇抑制のため持続鎮 静を行った。筋弛緩薬は投与せず,フェンタニル・ミダ ゾ ラ ム・ デ ク ス メ デ ト ミ ジ ン の 持 続 静 注 でState Behavioral Scale1)-1〜-2程度の安静を維持できた。 免疫抑制目的のメチルプレドニゾロン125 mg/dayを Day 0から投与し,漸減後Day 19まで投与した。超音波 検査で循環血液量を頻回に評価し,晶質輸液負荷または 利尿薬投与を適宜行った。経過中,心機能の低下は認め なかった。血清電解質は適宜測定して補正した。栄養は 経腸栄養を主体とし,総熱量最大34 kcal/kg/day,タン パク質最大1.2 g/kg/dayを病期に応じて投与した。血糖 値は,即効型インスリンの持続投与(2〜39単位/day)で およそ100〜180 mg/dLに管理した。 人工呼吸器の換気モードは主にプレッシャーサポート 換気とし,サポート圧は適正換気を維持できる最低圧に 調節した。Day 16のサポート圧は4 cmH2Oだったが, Day 23には12 cmH2Oを要し,人工呼吸器からの離脱は 困難だった。P/F比は187〜490だったが,体形と安静 に起因する無気肺によるものと考えられた。胸部単純X 線写真でも無気肺以外の異常所見を認めなかった。 四肢の筋力は全般的に低下し,Day 19のMedical Research Council (MRC)scoreは60点満点中38点と低 値だった。 以上より,心肺機能異常や神経筋疾患,中枢神経障害 を疑う所見がなく,人工呼吸器離脱困難であることと MRC scoreが低値であることからICU-AWと診断した。 一方,原病の治療のために施行した腹部CT検査では,第 3腰椎レベルの左大腰筋の断面積が術前の5.0 cm2から Day 20には4.1 cm2に減少していた(Fig. 1)。なお,腸腰 筋 断 面 積 はsliceOmatic 5.0 (Rev-2a, tomovision, Canada)で算出した。 理学療法士はICU入室時から介入した。当初は移植腎 CT検査で大腰筋断面積の縮小を確認できた ICU-acquired weaknessを合併した小児患者の1例