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Nihon Kyukyu Igakukai Zasshi: Journal of Japanese Association for Acute Medicine最新文献

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暑熱環境下の塗膜剥離作業中に,同時に3名の重症ベンジルアルコール中毒が発生した事案(A case of severe benzyl alcohol intoxication of three persons simultaneously during a coating removal operation in a hot environment) 在高温环境中进行涂层清除作业时三人同时严重苯甲醇中毒的案例在高温环境下进行涂层清除作业)。
伊藤 史生, 高橋 功, 大江 恭司, 糟谷 美有紀, 柴田 亮, 加藤 朱門, 奈女良 昭
暑熱環境下におけるNE–1®(ベンジルアルコール55−65%含有)を用いた,塗膜剥離作業中に同時に3名の患者が意識障害を来し,救急搬送された。患者Aは25歳の男性。来院時のバイタルサインはGCS E1V1M1,呼吸数30/分,血圧151/91mmHg,脈拍123/分,SpO2 100%(高濃度マスク10L),体温36.2度であった。気管挿管,人工呼吸管理を実施した。患者Bは23歳の男性。バイタルサインはGCS E1V1M4,呼吸数28/分,SpO2 99%(高濃度マスク10L),ほか特記すべき異常なし。患者Bも気管挿管された。患者A,Bともに翌日には意識レベルが改善し,抜管した。患者Cは21歳の男性。バイタルサインはGCS E4V3M6,ほか特記すべき異常なし。入院後不穏状態になり,鎮静管理を要した。3名とも入院日に代謝性アシドーシスと高カリウム血症を来したが,対症療法で軽快した。その後大きな合併症なく,全員第7病日に独歩退院した。病歴,症状,尿中馬尿酸からベンジルアルコール中毒と臨床診断し,後日ベンジルアルコールの血中濃度を測定し,確定診断した。ベンジルアルコール中毒は重症化するが,特異的な治療法はなく,適切な気道確保と全身管理が重要である。またベンジルアルコールの吸入事故は暑熱環境下に発生する事例が多く,熱中症との関連についても考察した。
在高温环境下使用 NE-1®(含 55-65% 的苯甲醇)去除涂层时,三名患者同时昏迷并被紧急送往急诊室。患者 A 是一名 25 岁的男子。到达时,他的生命体征为 GCS E1V1M1,呼吸频率 30/分钟,血压 151/91 mmHg,脉搏 123/分钟,SpO2 100%(高密度面罩 10L),体温 36.2°C。进行了气管插管和呼吸管理。患者 B 是一名 23 岁的男子。生命体征为 GCS E1V1M4,呼吸频率 28/分钟,SpO2 99%(高密度面罩 10L),无其他异常。患者 B 也插管了。患者 A 和 B 均于第二天拔管,意识有所改善。患者 C 是一名 21 岁的男子。生命体征为 GCS E4V3M6,无其他异常。三名患者在入院当天都出现了代谢性酸中毒和高钾血症,经对症治疗后均已缓解。所有患者均于第七天自行出院,未出现重大并发症。根据病史、症状和尿液中的马尿酸,临床诊断为苯甲醇中毒,随后通过测量血液中的苯甲醇含量予以确诊。苯甲醇中毒可能很严重,但没有特效治疗方法,适当的气道清理和全身治疗非常重要。苄基酒精吸入事故通常发生在炎热的环境中,本文还讨论了与中暑的关系。
{"title":"暑熱環境下の塗膜剥離作業中に,同時に3名の重症ベンジルアルコール中毒が発生した事案(A case of severe benzyl alcohol intoxication of three persons simultaneously during a coating removal operation in a hot environment)","authors":"伊藤 史生, 高橋 功, 大江 恭司, 糟谷 美有紀, 柴田 亮, 加藤 朱門, 奈女良 昭","doi":"10.1002/jja2.12901","DOIUrl":"https://doi.org/10.1002/jja2.12901","url":null,"abstract":"暑熱環境下におけるNE–1®(ベンジルアルコール55−65%含有)を用いた,塗膜剥離作業中に同時に3名の患者が意識障害を来し,救急搬送された。患者Aは25歳の男性。来院時のバイタルサインはGCS E1V1M1,呼吸数30/分,血圧151/91mmHg,脈拍123/分,SpO2 100%(高濃度マスク10L),体温36.2度であった。気管挿管,人工呼吸管理を実施した。患者Bは23歳の男性。バイタルサインはGCS E1V1M4,呼吸数28/分,SpO2 99%(高濃度マスク10L),ほか特記すべき異常なし。患者Bも気管挿管された。患者A,Bともに翌日には意識レベルが改善し,抜管した。患者Cは21歳の男性。バイタルサインはGCS E4V3M6,ほか特記すべき異常なし。入院後不穏状態になり,鎮静管理を要した。3名とも入院日に代謝性アシドーシスと高カリウム血症を来したが,対症療法で軽快した。その後大きな合併症なく,全員第7病日に独歩退院した。病歴,症状,尿中馬尿酸からベンジルアルコール中毒と臨床診断し,後日ベンジルアルコールの血中濃度を測定し,確定診断した。ベンジルアルコール中毒は重症化するが,特異的な治療法はなく,適切な気道確保と全身管理が重要である。またベンジルアルコールの吸入事故は暑熱環境下に発生する事例が多く,熱中症との関連についても考察した。","PeriodicalId":19346,"journal":{"name":"Nihon Kyukyu Igakukai Zasshi: Journal of Japanese Association for Acute Medicine","volume":"28 1","pages":""},"PeriodicalIF":0.0,"publicationDate":"2024-05-01","publicationTypes":"Journal Article","fieldsOfStudy":null,"isOpenAccess":false,"openAccessPdf":"","citationCount":null,"resultStr":null,"platform":"Semanticscholar","paperid":"141045080","PeriodicalName":null,"FirstCategoryId":null,"ListUrlMain":null,"RegionNum":0,"RegionCategory":"","ArticlePicture":[],"TitleCN":null,"AbstractTextCN":null,"PMCID":"","EPubDate":null,"PubModel":null,"JCR":null,"JCRName":null,"Score":null,"Total":0}
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COVID–19療養経過中のため診断が遅れて薬疹が重症化した1例(A case of severe drug eruption with delayed diagnosis due to COVID–19) 一例因 COVID-19 治疗过程而延误诊断的严重药物性糜烂病例
小林 駿, 齊藤 志穂, 山田 尚弘, 松村 宣寿, 門馬 法子, 根本 信仁, 森野 一真
重症薬疹は検査結果に加えその症状と経過により診断される。今回,オンライン診療下で身体診察が不十分となり診断が遅れた重症薬疹を経験した。症例はうつ病治療中の31歳女性。精神科病院入院中,X−30日,ラモトリギン内服を開始した。X−23日,coronavirus disease 2019(COVID–19)患者に濃厚接触したため自宅療養目的に退院した。X−16日,発熱と全身の紅斑が出現した。X−15日,オンラインで処方医の定期診察を受けたが発熱と皮疹に気づかれなかった。X−5日,COVID–19に罹患したことが判明した。X−3日,発熱が続くため処方医と異なる2次医療機関に救急搬送されたがCOVID–19であるために皮疹の診察を十分に受けなかった。自宅療養を継続したが発熱と皮疹が改善しないため,X日,当院に救急搬送された。重症薬疹を疑い,被疑薬を中止しステロイドの全身投与を開始後,皮疹は経日的に改善し,X+14日に自宅退院した。本症例はCOVID–19に罹患したため,前医で全身の皮膚観察がなされず,薬疹を疑う所見の一つである播種状紅斑に気づかれなかった結果,薬疹の診断と被疑薬中止が遅れた。COVID–19流行によりオンライン診療が広く導入されているが,非対面での診察時に皮膚所見が重要と考えられる場合は,皮疹の場所や形態,その推移を含めた問診とカメラを通した視診にとくに留意すべきである。
重症药疹的诊断除实验室结果外,还需依据其症状和病程。在本研究中,我们经历了一例严重药物性皮疹,由于在线医疗服务下的体格检查不充分而延误了诊断。患者是一名正在接受抑郁症治疗的 31 岁女性。X-30 日,在精神病院住院期间,她开始服用拉莫三嗪;X-23 日,由于密集接触 2019 年冠状病毒病(COVID-19)患者,她出院回家护理;XX-16日,出现发热和全身红斑;X-15日,与处方医生进行常规在线咨询,处方医生对发热和皮疹并不知情;X-5日,发现患有COVID-19。X-3 日,由于持续发烧,他被紧急送往与处方医生不同的二级医疗中心,但由于 COVID-19 的原因,他没有得到充分的皮疹检查。他在家中继续接受治疗,但发烧和皮疹没有好转,于是在 X 日被紧急送往我院。由于怀疑是严重的药物性皮疹,我们停用了疑似药物,并开始全身使用类固醇激素,之后皮疹每天都有好转,患者于 X+14 日出院回家。由于 COVID-19 的流行,之前的医生没有对患者进行系统的皮肤观察,也没有注意到疑似药物疹之一的播散性红斑,因此延误了药物疹的诊断和疑似药物的停药。不过,如果在非面对面检查中认为皮肤检查结果很重要,则应特别注意问诊,包括皮疹的位置和形态及其演变,以及通过摄像头进行的目视检查。
{"title":"COVID–19療養経過中のため診断が遅れて薬疹が重症化した1例(A case of severe drug eruption with delayed diagnosis due to COVID–19)","authors":"小林 駿, 齊藤 志穂, 山田 尚弘, 松村 宣寿, 門馬 法子, 根本 信仁, 森野 一真","doi":"10.1002/jja2.12898","DOIUrl":"https://doi.org/10.1002/jja2.12898","url":null,"abstract":"重症薬疹は検査結果に加えその症状と経過により診断される。今回,オンライン診療下で身体診察が不十分となり診断が遅れた重症薬疹を経験した。症例はうつ病治療中の31歳女性。精神科病院入院中,X−30日,ラモトリギン内服を開始した。X−23日,coronavirus disease 2019(COVID–19)患者に濃厚接触したため自宅療養目的に退院した。X−16日,発熱と全身の紅斑が出現した。X−15日,オンラインで処方医の定期診察を受けたが発熱と皮疹に気づかれなかった。X−5日,COVID–19に罹患したことが判明した。X−3日,発熱が続くため処方医と異なる2次医療機関に救急搬送されたがCOVID–19であるために皮疹の診察を十分に受けなかった。自宅療養を継続したが発熱と皮疹が改善しないため,X日,当院に救急搬送された。重症薬疹を疑い,被疑薬を中止しステロイドの全身投与を開始後,皮疹は経日的に改善し,X+14日に自宅退院した。本症例はCOVID–19に罹患したため,前医で全身の皮膚観察がなされず,薬疹を疑う所見の一つである播種状紅斑に気づかれなかった結果,薬疹の診断と被疑薬中止が遅れた。COVID–19流行によりオンライン診療が広く導入されているが,非対面での診察時に皮膚所見が重要と考えられる場合は,皮疹の場所や形態,その推移を含めた問診とカメラを通した視診にとくに留意すべきである。","PeriodicalId":19346,"journal":{"name":"Nihon Kyukyu Igakukai Zasshi: Journal of Japanese Association for Acute Medicine","volume":"25 18","pages":""},"PeriodicalIF":0.0,"publicationDate":"2024-05-01","publicationTypes":"Journal Article","fieldsOfStudy":null,"isOpenAccess":false,"openAccessPdf":"","citationCount":null,"resultStr":null,"platform":"Semanticscholar","paperid":"141041812","PeriodicalName":null,"FirstCategoryId":null,"ListUrlMain":null,"RegionNum":0,"RegionCategory":"","ArticlePicture":[],"TitleCN":null,"AbstractTextCN":null,"PMCID":"","EPubDate":null,"PubModel":null,"JCR":null,"JCRName":null,"Score":null,"Total":0}
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両下腿の安静時痛が初発症状であった巨細胞性動脈炎の1例(Giant cell arteritis presenting as bilateral calf rest pain: a case report) 両下腿の安静时痛が初発症状であった巨細胞性动脈炎の1例(表现为双侧小腿静息痛的巨细胞动脉炎:病例报告)
西沢 拓也, 吉川 聡司, 上田 剛士
巨細胞性動脈炎(giant cell arteritis: GCA)は,高齢者に好発する大血管炎で,視力予後に関わるため,見逃してはいけない疾患の一つである。症例は85歳の男性。発熱を伴う両下腿の安静時痛を主訴に当院搬送された。両側の下腿腫脹を認めたが,把握痛や浮腫,発赤は認めず,下肢静脈超音波検査でも深部静脈血栓は指摘できなかった。血液検査で高度な炎症所見を認め,下肢の造影CTで両側の大腿動脈から膝窩動脈にかけて,動脈壁肥厚と動脈周囲の脂肪織濃度の上昇を認めた。再度診察したところ,右鎖骨下動脈と左浅大腿動脈に沿った圧痛を認めた。動脈超音波検査で,大腿・膝窩を含む動脈にびまん性壁肥厚を認めたため,GCAと臨床診断した。両下腿の安静時痛が初発症状であるGCAは非典型例ではあったが,動脈の圧痛や,画像検査で血管壁肥厚の有無を確認したことが早期診断の一助となった。
巨细胞动脉炎(GCA)是老年人最常见的大血管炎之一,由于它与视觉预后有关,因此不容忽视。本病例是一名 85 岁的老人。他来我院就诊时的主诉是双下肢静息痛并伴有发热。他双腿肿胀,但无抓痛、水肿或发红,下肢静脉超声检查未发现深静脉血栓。血液检查显示有严重炎症,下肢对比增强 CT 显示动脉壁增厚,从双侧股动脉到腘动脉的动脉周围脂肪组织密度增加。再次检查时,发现右锁骨下动脉和左股浅动脉有压痛。动脉超声波检查显示包括股动脉和腘动脉在内的动脉壁弥漫性增厚,因此临床诊断为 GCA。虽然以双小腿静息痛为首发症状的 GCA 并不典型,但动脉触痛和影像学检查发现的血管壁增厚有助于早期诊断。
{"title":"両下腿の安静時痛が初発症状であった巨細胞性動脈炎の1例(Giant cell arteritis presenting as bilateral calf rest pain: a case report)","authors":"西沢 拓也, 吉川 聡司, 上田 剛士","doi":"10.1002/jja2.12896","DOIUrl":"https://doi.org/10.1002/jja2.12896","url":null,"abstract":"巨細胞性動脈炎(giant cell arteritis: GCA)は,高齢者に好発する大血管炎で,視力予後に関わるため,見逃してはいけない疾患の一つである。症例は85歳の男性。発熱を伴う両下腿の安静時痛を主訴に当院搬送された。両側の下腿腫脹を認めたが,把握痛や浮腫,発赤は認めず,下肢静脈超音波検査でも深部静脈血栓は指摘できなかった。血液検査で高度な炎症所見を認め,下肢の造影CTで両側の大腿動脈から膝窩動脈にかけて,動脈壁肥厚と動脈周囲の脂肪織濃度の上昇を認めた。再度診察したところ,右鎖骨下動脈と左浅大腿動脈に沿った圧痛を認めた。動脈超音波検査で,大腿・膝窩を含む動脈にびまん性壁肥厚を認めたため,GCAと臨床診断した。両下腿の安静時痛が初発症状であるGCAは非典型例ではあったが,動脈の圧痛や,画像検査で血管壁肥厚の有無を確認したことが早期診断の一助となった。","PeriodicalId":19346,"journal":{"name":"Nihon Kyukyu Igakukai Zasshi: Journal of Japanese Association for Acute Medicine","volume":"100 2","pages":""},"PeriodicalIF":0.0,"publicationDate":"2024-05-01","publicationTypes":"Journal Article","fieldsOfStudy":null,"isOpenAccess":false,"openAccessPdf":"","citationCount":null,"resultStr":null,"platform":"Semanticscholar","paperid":"141034888","PeriodicalName":null,"FirstCategoryId":null,"ListUrlMain":null,"RegionNum":0,"RegionCategory":"","ArticlePicture":[],"TitleCN":null,"AbstractTextCN":null,"PMCID":"","EPubDate":null,"PubModel":null,"JCR":null,"JCRName":null,"Score":null,"Total":0}
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蘇生的開胸術とステントグラフト内挿術を行ったが救命できなかった外傷性腹部大動脈瘤破裂の1例(A fatal case of traumatic ruptured abdominal aortic aneurysm treated with resuscitative thoracotomy and endovascular aortic repair) 一例致命的外伤性腹主动脉瘤破裂病例,通过胸廓切开术和血管内主动脉修补术进行了复苏治疗(一例致命的外伤性腹主动脉瘤破裂病例,通过胸廓切开术和血管内主动脉修补术进行了复苏治疗)。胸廓切开术和血管内主动脉修补术)。
眞喜志 剛, 原田 薫, 長野 博司
外傷性の腹部大動脈瘤破裂(raptured abdominal aortic aneurysm: RAAA)は稀な病態だが死亡率は高い。症例は61歳の男性。体重15kgの子供が腹部に飛び乗った後に腹痛と意識消失を呈し,ショック状態で病院に搬送された。エコーと造影CTで外傷性RAAAと診断した。ショックに対して大量輸液,輸血を行ったが循環維持が困難だったため,蘇生的開胸術を行い下行大動脈をクランプした。ハイブリッド手術室でステントグラフト内挿術(endovascular aortic repair: EVAR)を行った。EVAR完了後に腹部の緊張が増大し,腹部コンパートメント症候群を生じたと判断して開腹を行った。しかし凝固障害のために止血が困難となり,受傷から14時間後に死亡した。本症例は外傷性RAAAにおいても蘇生的開胸術は根治的治療を行うまでの循環維持に有効な手段となりうることを示しているが,その後の治療戦略は慎重に決定しなければならない。
腹主动脉瘤外伤性破裂(腹主动脉瘤破裂:RAAA)是一种罕见病,但死亡率很高。本病例是一名 61 岁的男性。一名 15 公斤重的儿童跳到他的腹部,导致他腹痛并失去知觉,在休克状态下被送往医院。回波和对比增强 CT 显示为创伤性 RAAA。尽管为治疗休克进行了大量输液和输血,但仍难以维持循环,因此进行了胸廓切开术,并夹住了降主动脉。在混合手术室进行了主动脉血管内修复术(EVAR);EVAR完成后,腹部张力增加,由于出现了腹腔室综合征,因此打开了腹部。然而,由于凝血功能障碍,止血变得困难,患者在受伤 14 小时后死亡。该病例表明,在进行根治性治疗之前,复苏性开腹手术是维持创伤性 RAAA 循环的有效手段,但必须谨慎确定后续治疗策略。
{"title":"蘇生的開胸術とステントグラフト内挿術を行ったが救命できなかった外傷性腹部大動脈瘤破裂の1例(A fatal case of traumatic ruptured abdominal aortic aneurysm treated with resuscitative thoracotomy and endovascular aortic repair)","authors":"眞喜志 剛, 原田 薫, 長野 博司","doi":"10.1002/jja2.12902","DOIUrl":"https://doi.org/10.1002/jja2.12902","url":null,"abstract":"外傷性の腹部大動脈瘤破裂(raptured abdominal aortic aneurysm: RAAA)は稀な病態だが死亡率は高い。症例は61歳の男性。体重15kgの子供が腹部に飛び乗った後に腹痛と意識消失を呈し,ショック状態で病院に搬送された。エコーと造影CTで外傷性RAAAと診断した。ショックに対して大量輸液,輸血を行ったが循環維持が困難だったため,蘇生的開胸術を行い下行大動脈をクランプした。ハイブリッド手術室でステントグラフト内挿術(endovascular aortic repair: EVAR)を行った。EVAR完了後に腹部の緊張が増大し,腹部コンパートメント症候群を生じたと判断して開腹を行った。しかし凝固障害のために止血が困難となり,受傷から14時間後に死亡した。本症例は外傷性RAAAにおいても蘇生的開胸術は根治的治療を行うまでの循環維持に有効な手段となりうることを示しているが,その後の治療戦略は慎重に決定しなければならない。","PeriodicalId":19346,"journal":{"name":"Nihon Kyukyu Igakukai Zasshi: Journal of Japanese Association for Acute Medicine","volume":"54 4","pages":""},"PeriodicalIF":0.0,"publicationDate":"2024-05-01","publicationTypes":"Journal Article","fieldsOfStudy":null,"isOpenAccess":false,"openAccessPdf":"","citationCount":null,"resultStr":null,"platform":"Semanticscholar","paperid":"141039229","PeriodicalName":null,"FirstCategoryId":null,"ListUrlMain":null,"RegionNum":0,"RegionCategory":"","ArticlePicture":[],"TitleCN":null,"AbstractTextCN":null,"PMCID":"","EPubDate":null,"PubModel":null,"JCR":null,"JCRName":null,"Score":null,"Total":0}
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乳児感染性硬膜下血腫の1例(A case of infantile infected subdural hematoma) 乳児感染性硬膜下血腫の1例(一例嬰兒感染性硬膜下血腫)
内田 旬, 小守林 靖一, 千葉 貴之, 柳原 普, 和田 司, 眞瀬 智彦, 小笠原 邦昭
乳児の感染性硬膜下血腫は稀であり,開頭術と穿頭術のどちらが優れているのかについて結論は得られていない。症例は虐待が疑われる6か月の男児である。生後5か月時に両側慢性硬膜下血腫を認め,CT上脳実質への圧迫はなく経過観察としていた。1か月後に突然の意識障害が出現し,CT上右硬膜下血腫の増大を認めた。重度の貧血があったため開頭術はリスクが高いと判断し,大泉門穿刺による血腫吸引を施行した。吸引した血腫を検鏡したところ,グラム陽性球菌の貪食像を認めた。抗菌薬投与下に,連日大泉門穿刺を行った。全身状態が改善した発症14病日に全身麻酔による内視鏡下頭蓋内血腫除去術を施行した。血腫腔内部は肉芽組織の隔壁が増生していた。隔壁を破りつつ血腫を吸引し,血腫腔を単房化した。術後経過は良好で硬膜下血腫の再発は認めなかった。感染性硬膜下血腫では画像上明らかでない隔壁形成が血腫腔内に存在する可能性があり,内視鏡補助下に血腫腔内を単房化しつつ血腫を除去することで,感染をコントロールできる可能性が示唆された。
婴幼儿感染性硬膜下血肿非常罕见,关于开颅手术还是穿孔手术更佳,目前尚未得出结论。本病例是一名 6 个月大的男婴,疑似受到虐待。5 个月大时,CT 观察到双侧慢性硬膜下血肿,但未压迫脑实质;一个月后,患者突然意识丧失,CT 观察到右侧硬膜下血肿增大。由于患者严重贫血,开颅手术被判断为高风险手术,于是进行了骨结合穿刺抽吸血肿。对抽出的血肿进行了检查,发现其被革兰氏阳性球菌吞噬。在使用抗菌素的情况下,每天进行骨穿刺。病程第 14 天,患者全身情况好转,在全身麻醉下进行了内窥镜颅内血肿清除术。血肿腔内生长了肉芽组织隔壁。血肿被吸出的同时,隔膜被冲破,血肿腔为单细胞。术后情况良好,硬膜下血肿没有复发。感染性硬膜下血肿的血肿腔内可能存在室间隔壁形成,而这在影像学上并不明显,这表明在内窥镜辅助下清除血肿的同时单腔化血肿腔可能有助于控制感染。
{"title":"乳児感染性硬膜下血腫の1例(A case of infantile infected subdural hematoma)","authors":"内田 旬, 小守林 靖一, 千葉 貴之, 柳原 普, 和田 司, 眞瀬 智彦, 小笠原 邦昭","doi":"10.1002/jja2.12897","DOIUrl":"https://doi.org/10.1002/jja2.12897","url":null,"abstract":"乳児の感染性硬膜下血腫は稀であり,開頭術と穿頭術のどちらが優れているのかについて結論は得られていない。症例は虐待が疑われる6か月の男児である。生後5か月時に両側慢性硬膜下血腫を認め,CT上脳実質への圧迫はなく経過観察としていた。1か月後に突然の意識障害が出現し,CT上右硬膜下血腫の増大を認めた。重度の貧血があったため開頭術はリスクが高いと判断し,大泉門穿刺による血腫吸引を施行した。吸引した血腫を検鏡したところ,グラム陽性球菌の貪食像を認めた。抗菌薬投与下に,連日大泉門穿刺を行った。全身状態が改善した発症14病日に全身麻酔による内視鏡下頭蓋内血腫除去術を施行した。血腫腔内部は肉芽組織の隔壁が増生していた。隔壁を破りつつ血腫を吸引し,血腫腔を単房化した。術後経過は良好で硬膜下血腫の再発は認めなかった。感染性硬膜下血腫では画像上明らかでない隔壁形成が血腫腔内に存在する可能性があり,内視鏡補助下に血腫腔内を単房化しつつ血腫を除去することで,感染をコントロールできる可能性が示唆された。","PeriodicalId":19346,"journal":{"name":"Nihon Kyukyu Igakukai Zasshi: Journal of Japanese Association for Acute Medicine","volume":"20 1","pages":""},"PeriodicalIF":0.0,"publicationDate":"2024-05-01","publicationTypes":"Journal Article","fieldsOfStudy":null,"isOpenAccess":false,"openAccessPdf":"","citationCount":null,"resultStr":null,"platform":"Semanticscholar","paperid":"141037404","PeriodicalName":null,"FirstCategoryId":null,"ListUrlMain":null,"RegionNum":0,"RegionCategory":"","ArticlePicture":[],"TitleCN":null,"AbstractTextCN":null,"PMCID":"","EPubDate":null,"PubModel":null,"JCR":null,"JCRName":null,"Score":null,"Total":0}
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先天性プロテインC欠損症に伴う上腸間膜静脈血栓症に対し保存的治療をした1例(Superior mesenteric venous thrombosis due to protein C deficiency treated by conservative therapy: A case report) 保守疗法治疗蛋白 C 缺乏症引起的肠系膜上静脉血栓:一例报告报告)
室谷 知孝, 福島 雅郁, 東出 靖弘, 是永 章, 是枝 大輔, 久保 真佑, 中尾 大輔
今回我々は,プロテインC欠損症に伴う上腸間膜静脈血栓症という希少な1例を経験したので報告する。症例は58歳の男性で,既往症に下肢深部静脈血栓症および肺血栓塞栓症があったためリバロキサバンを服用していた。ところが白内障の手術時に休薬し,その後も5か月間にわたり中止されたままであった。当院受診の2日前より上腹部痛および背部痛を自覚し,その後増悪したため前医を受診した。その結果,腹部造影CT検査にて門脈血栓症を認めたため当院救急搬送となった。腹部は左側を中心に全体的な自発痛と圧痛,また一部には筋性防御も認めた。腹部造影CT検査では,小腸の広範に渡る浮腫性壁肥厚と,上腸間膜静脈に血栓を示唆するcentral lucent signを認めた。緊急手術も考慮したが,術後の短腸症候群が懸念された。またCTにて門脈の完全閉塞はなく,側副血行路も形成されていた。浮腫腸管についても造影効果はあると判断した。これらの理由から,まずはヘパリンによる保存的治療を選択したが,結果的に治療完遂できた。その後の遺伝子解析にて先天性プロテインC欠損症と診断した。我々はこの希少な1例に対し,手術は行わず保存的治療のみで治療できた。先天性の血栓傾向が背景にあり,また腹膜刺激兆候を伴っており腸管壊死の可能性の示唆されるような上腸間膜静脈血栓症であっても,抗凝固薬による保存的加療のみで改善する場合もあることが示唆された。
我们在此报告一例罕见的肠系膜上静脉血栓形成伴有蛋白 C 缺乏症的病例。患者是一名 58 岁的男性,因之前患有下肢深静脉血栓和肺血栓栓塞症而服用利伐沙班。然而,他在接受白内障手术时停用了利伐沙班,之后又停药五个月。在来我院就诊的前两天,他感到上腹部疼痛和背部疼痛,随后疼痛加剧,于是他去看了之前的医生。腹部对比增强 CT 扫描显示门静脉血栓形成,患者被送往我院接受紧急治疗。腹部显示全身自发性疼痛和压痛,主要在左侧,还有一些肌肉防御。腹部对比增强 CT 扫描显示,小肠壁广泛水肿增厚,中央有通明征,提示肠系膜上静脉内有血栓。考虑进行急诊手术,但担心会出现术后短肠综合征。CT 显示门静脉没有完全闭塞,侧支血管已经形成。结论是水肿的肠道也存在造影剂效应。由于这些原因,首先选择了肝素保守治疗,结果治疗顺利完成。随后进行的基因分析确诊为先天性蛋白 C 缺乏症。对这一罕见病例,我们只采取了保守治疗,没有进行手术。我们的研究结果表明,即使肠系膜上静脉血栓病例具有先天性血栓形成倾向和腹膜刺激征,提示可能出现肠坏死,使用抗凝剂进行保守治疗也足以改善病情。
{"title":"先天性プロテインC欠損症に伴う上腸間膜静脈血栓症に対し保存的治療をした1例(Superior mesenteric venous thrombosis due to protein C deficiency treated by conservative therapy: A case report)","authors":"室谷 知孝, 福島 雅郁, 東出 靖弘, 是永 章, 是枝 大輔, 久保 真佑, 中尾 大輔","doi":"10.1002/jja2.12899","DOIUrl":"https://doi.org/10.1002/jja2.12899","url":null,"abstract":"今回我々は,プロテインC欠損症に伴う上腸間膜静脈血栓症という希少な1例を経験したので報告する。症例は58歳の男性で,既往症に下肢深部静脈血栓症および肺血栓塞栓症があったためリバロキサバンを服用していた。ところが白内障の手術時に休薬し,その後も5か月間にわたり中止されたままであった。当院受診の2日前より上腹部痛および背部痛を自覚し,その後増悪したため前医を受診した。その結果,腹部造影CT検査にて門脈血栓症を認めたため当院救急搬送となった。腹部は左側を中心に全体的な自発痛と圧痛,また一部には筋性防御も認めた。腹部造影CT検査では,小腸の広範に渡る浮腫性壁肥厚と,上腸間膜静脈に血栓を示唆するcentral lucent signを認めた。緊急手術も考慮したが,術後の短腸症候群が懸念された。またCTにて門脈の完全閉塞はなく,側副血行路も形成されていた。浮腫腸管についても造影効果はあると判断した。これらの理由から,まずはヘパリンによる保存的治療を選択したが,結果的に治療完遂できた。その後の遺伝子解析にて先天性プロテインC欠損症と診断した。我々はこの希少な1例に対し,手術は行わず保存的治療のみで治療できた。先天性の血栓傾向が背景にあり,また腹膜刺激兆候を伴っており腸管壊死の可能性の示唆されるような上腸間膜静脈血栓症であっても,抗凝固薬による保存的加療のみで改善する場合もあることが示唆された。","PeriodicalId":19346,"journal":{"name":"Nihon Kyukyu Igakukai Zasshi: Journal of Japanese Association for Acute Medicine","volume":"5 2","pages":""},"PeriodicalIF":0.0,"publicationDate":"2024-05-01","publicationTypes":"Journal Article","fieldsOfStudy":null,"isOpenAccess":false,"openAccessPdf":"","citationCount":null,"resultStr":null,"platform":"Semanticscholar","paperid":"141054103","PeriodicalName":null,"FirstCategoryId":null,"ListUrlMain":null,"RegionNum":0,"RegionCategory":"","ArticlePicture":[],"TitleCN":null,"AbstractTextCN":null,"PMCID":"","EPubDate":null,"PubModel":null,"JCR":null,"JCRName":null,"Score":null,"Total":0}
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「日本救急医学会 救急point–of–care超音波診療指針」(日救急医会誌. 2022; 33: 338–83)の訂正について 日本急诊医学会急诊点超声波实践指南》(《日本急诊医学会杂志》。 2022; 33: 338-83).
{"title":"「日本救急医学会 救急point–of–care超音波診療指針」(日救急医会誌. 2022; 33: 338–83)の訂正について","authors":"","doi":"10.1002/jja2.12900","DOIUrl":"https://doi.org/10.1002/jja2.12900","url":null,"abstract":"","PeriodicalId":19346,"journal":{"name":"Nihon Kyukyu Igakukai Zasshi: Journal of Japanese Association for Acute Medicine","volume":"139 ","pages":""},"PeriodicalIF":0.0,"publicationDate":"2024-04-01","publicationTypes":"Journal Article","fieldsOfStudy":null,"isOpenAccess":false,"openAccessPdf":"","citationCount":null,"resultStr":null,"platform":"Semanticscholar","paperid":"140769130","PeriodicalName":null,"FirstCategoryId":null,"ListUrlMain":null,"RegionNum":0,"RegionCategory":"","ArticlePicture":[],"TitleCN":null,"AbstractTextCN":null,"PMCID":"","EPubDate":null,"PubModel":null,"JCR":null,"JCRName":null,"Score":null,"Total":0}
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COVID–19パンデミックが臓器提供に与えた影響の定量的評価:臓器提供に要した日数の比較(Quantitative assessment of the impact of the COVID–19 pandemic on organ donation: comparison of the number of days required for organ donation) 定量评估COVID-19大流行对器官捐献的影响:器官捐献所需天数的比较器官捐献:器官捐献所需天数的比较)。
樋口 遥水, 野露 彩乃, 星野 哲也, 三浦 健, 小山 泰明, 榎本 有希, 井上 貴昭
【目的】COVID–19パンデミックが臓器提供に与えた影響を評価した報告は少ない。本研究は臓器提供に要した日数をパンデミック前後で比較し,パンデミックが臓器提供に与えた影響を定量的に評価することを目的とした。【対象】当院の脳死下・心停止後臓器提供症例(角膜提供のみ実施した症例を除く)をPre–pandemic群(2019年以前)とPandemic群(2020年以後)に分けた。脳死とされうる状態または終末期と判断した日(day A),臓器摘出同意書の署名日(day B),第2回法的脳死判定日または死亡診断日(day C),臓器摘出日(day D)を定義し,2群間でそれぞれの間の日数をStudent–t検定で比較した。【結果】症例数はPre–pandemic群7例,Pandemic群10例であった。A–DはPre–pandemic群で2.4±1.3日[2.0日(2.0–2.5)],Pandemic群で2.3±2.1日[2.0日(1.0–3.0)]であり有意差を認めなかった(平均±標準偏差[中央値(四分位範囲)];p=0.89,95%CI:−2.0~1.8)。A–B,B–C,C–Dでも有意差を認めなかった。脳死下提供のみまたは心停止後提供のみの比較でもいずれも有意差はなかった。【結語】当院ではCOVID–19パンデミック前後で脳死下・心停止後臓器提供に要した日数の有意な変化はなかった。
目的:很少有报告评估 COVID-19 大流行对器官捐献的影响。本研究旨在比较大流行前后器官捐献所需的天数,并定量评估大流行对器官捐献的影响。本医院将脑死亡或心脏骤停后捐献器官的患者(不包括仅进行角膜捐献的病例)分为大流行前组(2019 年之前)和大流行组(2020 年之后)。定义患者被认定为脑死亡或绝症的日期(A 天)、签署器官摘取同意书的日期(B 天)、第二次法律认定脑死亡或绝症的日期(C 天)和器官摘取日期(D 天),并通过 Student-t 检验比较两组之间的间隔天数。大流行前组病例数为 7 例,大流行组病例数为 10 例;大流行前组 A-D 为 2.4±1.3 天[2.0(2.0-2.5)天],大流行组为 2.5 天[2.0(2.0-2.5)天]。大流行前组的 A-B、B-C、C-D 为 2.4±1.3 天[2.0 天(2.0-2.5)],大流行组为 2.3±2.1 天[2.0 天(1.0-3.0)],差异不显著(平均值 ± 标准差[中位数(四分位间距)];P = 0.89,95% CI:-2.0 至 1.8)。B-C和C-D没有显著差异。仅在脑死亡情况下捐献或仅在心脏骤停后捐献的比较均无明显差异。结论:我院在 COVID-19 大流行前后,脑死亡或心脏骤停后器官捐献所需天数无明显变化。
{"title":"COVID–19パンデミックが臓器提供に与えた影響の定量的評価:臓器提供に要した日数の比較(Quantitative assessment of the impact of the COVID–19 pandemic on organ donation: comparison of the number of days required for organ donation)","authors":"樋口 遥水, 野露 彩乃, 星野 哲也, 三浦 健, 小山 泰明, 榎本 有希, 井上 貴昭","doi":"10.1002/jja2.12891","DOIUrl":"https://doi.org/10.1002/jja2.12891","url":null,"abstract":"【目的】COVID–19パンデミックが臓器提供に与えた影響を評価した報告は少ない。本研究は臓器提供に要した日数をパンデミック前後で比較し,パンデミックが臓器提供に与えた影響を定量的に評価することを目的とした。【対象】当院の脳死下・心停止後臓器提供症例(角膜提供のみ実施した症例を除く)をPre–pandemic群(2019年以前)とPandemic群(2020年以後)に分けた。脳死とされうる状態または終末期と判断した日(day A),臓器摘出同意書の署名日(day B),第2回法的脳死判定日または死亡診断日(day C),臓器摘出日(day D)を定義し,2群間でそれぞれの間の日数をStudent–t検定で比較した。【結果】症例数はPre–pandemic群7例,Pandemic群10例であった。A–DはPre–pandemic群で2.4±1.3日[2.0日(2.0–2.5)],Pandemic群で2.3±2.1日[2.0日(1.0–3.0)]であり有意差を認めなかった(平均±標準偏差[中央値(四分位範囲)];p=0.89,95%CI:−2.0~1.8)。A–B,B–C,C–Dでも有意差を認めなかった。脳死下提供のみまたは心停止後提供のみの比較でもいずれも有意差はなかった。【結語】当院ではCOVID–19パンデミック前後で脳死下・心停止後臓器提供に要した日数の有意な変化はなかった。","PeriodicalId":19346,"journal":{"name":"Nihon Kyukyu Igakukai Zasshi: Journal of Japanese Association for Acute Medicine","volume":"51 21","pages":""},"PeriodicalIF":0.0,"publicationDate":"2024-04-01","publicationTypes":"Journal Article","fieldsOfStudy":null,"isOpenAccess":false,"openAccessPdf":"","citationCount":null,"resultStr":null,"platform":"Semanticscholar","paperid":"140795866","PeriodicalName":null,"FirstCategoryId":null,"ListUrlMain":null,"RegionNum":0,"RegionCategory":"","ArticlePicture":[],"TitleCN":null,"AbstractTextCN":null,"PMCID":"","EPubDate":null,"PubModel":null,"JCR":null,"JCRName":null,"Score":null,"Total":0}
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頭部外傷を契機に発症した,小児脳静脈洞血栓症2症例(Traumatic cerebral venous sinus thrombosis in pediatric patients: Report of two cases) 頭部外傷を契機に発症した,小児脳靜脈洞血栓症2症例(小兒外傷性腦靜脈洞血栓症:两例报告)
船登 有未, 小林 憲太郎, 佐々木 亮, 井上 雅人, 木村 昭夫
 小児の脳静脈洞血栓症(CVST)の発生率は年間0.67人/10万人と稀である。外傷は原因の一つだが広く認識されておらず,しばしば診断が遅れる。頭部外傷後にCVSTを発症した小児症例を2例経験したので報告する。症例1:6歳の女児。遊具から転落後,嘔吐があり受診。CTで後頭骨骨折を認め,経過観察入院した。翌日のCTで急性硬膜外血腫および右横行静脈洞に一致した高吸収域を認め,MRIで右横静脈洞の信号欠損を認めCVSTの診断となった。出血および水頭症の増悪に対して開頭血腫除去術を施行した。その後はMRIで血栓は吸収過程と考えられ,後遺症なく受傷17日目に退院となった。症例2:7歳の女児。遊具から転落後,嘔気が遷延し受傷翌日に受診。CTでは異常所見を認めず帰宅となった。受傷3日目も活気不良が継続し,再検したCTで右横静脈洞に一致して高吸収域がみられ,MRIで右横静脈洞に欠損を認めCVSTの診断となった。ヘパリン投与を開始し血栓の縮小を認め,症状も消失しワーファリンに切り替えて受傷21日目に退院となった。今回の2症例は受傷初期のCTで所見を認めなかったが,症状が遷延したことで再検したCTで静脈洞に一致する高吸収域が出現しCVSTが発覚した。被ばくの懸念から小児では繰り返しのCT撮像は躊躇されるが,症状が遷延する場合CTの再検およびMRIなどでの精査を検討するべきである。
儿童脑静脉窦血栓形成(CVST)的发病率很低,每年仅为 0.67/10 万例。外伤是病因之一,但并未被广泛认识,往往延误诊断。我们报告了两例儿童头部外伤后出现 CVST 的病例。病例 1:一名 6 岁女孩。她从游乐场设备上摔下后呕吐不止,入院观察,CT 显示枕骨骨折。第二天,CT 显示急性硬膜外血肿和与右侧横窦一致的高吸收区,MRI 显示右侧横窦信号缺损,诊断为 CVST。由于出血和脑积水恶化,对患者进行了开颅手术以清除血肿。随后,核磁共振检查认为血栓正在吸收过程中,患者于受伤后第 17 天出院,未留下后遗症。病例 2:7 岁女孩。受伤后第二天,她因从游乐场设备上摔下后长时间恶心而就诊,出院回家后 CT 扫描未发现异常。受伤后第三天,她的生命体征仍然很差,复查 CT 显示与右侧横窦一致的高吸收区,MRI 显示右侧横窦缺损,诊断为 CVST。开始使用肝素,发现血栓减少,症状缓解,患者改用华法林,于伤后第 21 天出院。在这两个病例中,最初受伤时 CT 没有发现任何异常,但当症状持续存在时,再次进行 CT 检查,CT 上出现了与静脉窦一致的高吸收区,并发现了 CVST。由于担心暴露,不鼓励对儿童重复进行 CT 成像检查,但如果症状持续存在,应考虑进行 CT 复查和 MRI 进一步检查。
{"title":"頭部外傷を契機に発症した,小児脳静脈洞血栓症2症例(Traumatic cerebral venous sinus thrombosis in pediatric patients: Report of two cases)","authors":"船登 有未, 小林 憲太郎, 佐々木 亮, 井上 雅人, 木村 昭夫","doi":"10.1002/jja2.12895","DOIUrl":"https://doi.org/10.1002/jja2.12895","url":null,"abstract":" 小児の脳静脈洞血栓症(CVST)の発生率は年間0.67人/10万人と稀である。外傷は原因の一つだが広く認識されておらず,しばしば診断が遅れる。頭部外傷後にCVSTを発症した小児症例を2例経験したので報告する。症例1:6歳の女児。遊具から転落後,嘔吐があり受診。CTで後頭骨骨折を認め,経過観察入院した。翌日のCTで急性硬膜外血腫および右横行静脈洞に一致した高吸収域を認め,MRIで右横静脈洞の信号欠損を認めCVSTの診断となった。出血および水頭症の増悪に対して開頭血腫除去術を施行した。その後はMRIで血栓は吸収過程と考えられ,後遺症なく受傷17日目に退院となった。症例2:7歳の女児。遊具から転落後,嘔気が遷延し受傷翌日に受診。CTでは異常所見を認めず帰宅となった。受傷3日目も活気不良が継続し,再検したCTで右横静脈洞に一致して高吸収域がみられ,MRIで右横静脈洞に欠損を認めCVSTの診断となった。ヘパリン投与を開始し血栓の縮小を認め,症状も消失しワーファリンに切り替えて受傷21日目に退院となった。今回の2症例は受傷初期のCTで所見を認めなかったが,症状が遷延したことで再検したCTで静脈洞に一致する高吸収域が出現しCVSTが発覚した。被ばくの懸念から小児では繰り返しのCT撮像は躊躇されるが,症状が遷延する場合CTの再検およびMRIなどでの精査を検討するべきである。","PeriodicalId":19346,"journal":{"name":"Nihon Kyukyu Igakukai Zasshi: Journal of Japanese Association for Acute Medicine","volume":"134 2","pages":""},"PeriodicalIF":0.0,"publicationDate":"2024-04-01","publicationTypes":"Journal Article","fieldsOfStudy":null,"isOpenAccess":false,"openAccessPdf":"","citationCount":null,"resultStr":null,"platform":"Semanticscholar","paperid":"140787524","PeriodicalName":null,"FirstCategoryId":null,"ListUrlMain":null,"RegionNum":0,"RegionCategory":"","ArticlePicture":[],"TitleCN":null,"AbstractTextCN":null,"PMCID":"","EPubDate":null,"PubModel":null,"JCR":null,"JCRName":null,"Score":null,"Total":0}
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脳死下臓器移植経験施設の施設特徴とその地域性の評価:多施設後ろ向き観察研究(Evaluation of institutional and regional characteristics of facilities with experience in organ transplantation under brain death: A multi–center, retrospective observational study) 脳死下臓器移植経験施設の施設特徴とその地域性の評価:多施設後ろ向き観察研究(Evaluation of institutional and regional characteristics of facilities with experience in organ transplantation under brain death:多中心、回顾性观察研究)
出内 主基
【目的】2021年に日本救急医学会の脳死・臓器組織移植に関する委員会により作成された脳死判定を目的とした転院搬送についての意識調査に関する委員会報告では,救命救急センターでも3分の1の施設が過去に臓器提供経験がないと判明した。本研究は臓器提供に至る施設の特徴や地域間格差の原因を探索することを目的とした。【対象】上記の意識調査(救命救急センター 295施設を対象,220施設より回答)を二次解析した。都道府県別腎臓提供数は過去臓器提供を行った全施設を対象とし日本臓器移植ネットワークの情報を用いた。【結果】救命救急センターにおける脳死下臓器移植の有無と,救命救急センター充実段階評価における「救急での人生の最終段階における医療の整備」が有意に関連していた(71.1% vs 53.8%, p=0.04)。また,人口10万あたり腎臓提供数が少ない地域では「救急での人生の最終段階における医療の整備」を行っている割合が少なかった(Q1+Q2+Q3 vs Q4; 85.6% vs 66.7%, p=0.01)。【結語】救命救急センターでの人生の最終段階における医療体制整備は地域・病院間で格差があり,臓器提供件数が少ない病院や都道府県で体制の整備が遅れている傾向が示された。人生の最終段階における医療体制整備を医療計画に基づいて支援することは臓器提供機会の適正化に寄与する可能性が示唆された。
目的:2021 年,日本急诊医学协会脑死亡和器官组织移植委员会编写了一份关于对为确定脑死亡而进行转移的态度的调查报告,发现三分之一的急诊中心以前没有器官捐献的经验。本研究旨在探讨导致器官捐献的设施的特点以及造成地区差异的原因。本研究对上述认知度调查进行了二次分析(调查对象为 295 家急救中心;220 家机构做出了回应)。各都道府县的肾脏捐献数量基于日本器官移植网络的信息,该网络覆盖了过去曾捐献器官的所有机构。结果:急救中心是否进行脑死亡器官移植与急救中心履行阶段评估中的 "在紧急情况下提供生命末期医疗护理 "有显著相关性(71.1% 对 53.8%,P = 0.04)。此外,每 10 万人口中肾脏提供量较少的地区中,"急诊生命末期医疗护理发展 "的比例较低(Q1+Q2+Q3 vs Q4;85.6% vs 66.7%,P=0.01)。结论:急诊中心生命最后阶段医疗系统的发展存在地区和医院之间的差异,器官捐献病例较少的医院和县的系统有落后的趋势。建议在医疗规划的基础上支持生命最后阶段医疗系统的发展,这可能有助于优化器官捐献的机会。
{"title":"脳死下臓器移植経験施設の施設特徴とその地域性の評価:多施設後ろ向き観察研究(Evaluation of institutional and regional characteristics of facilities with experience in organ transplantation under brain death: A multi–center, retrospective observational study)","authors":"出内 主基","doi":"10.1002/jja2.12892","DOIUrl":"https://doi.org/10.1002/jja2.12892","url":null,"abstract":"【目的】2021年に日本救急医学会の脳死・臓器組織移植に関する委員会により作成された脳死判定を目的とした転院搬送についての意識調査に関する委員会報告では,救命救急センターでも3分の1の施設が過去に臓器提供経験がないと判明した。本研究は臓器提供に至る施設の特徴や地域間格差の原因を探索することを目的とした。【対象】上記の意識調査(救命救急センター 295施設を対象,220施設より回答)を二次解析した。都道府県別腎臓提供数は過去臓器提供を行った全施設を対象とし日本臓器移植ネットワークの情報を用いた。【結果】救命救急センターにおける脳死下臓器移植の有無と,救命救急センター充実段階評価における「救急での人生の最終段階における医療の整備」が有意に関連していた(71.1% vs 53.8%, p=0.04)。また,人口10万あたり腎臓提供数が少ない地域では「救急での人生の最終段階における医療の整備」を行っている割合が少なかった(Q1+Q2+Q3 vs Q4; 85.6% vs 66.7%, p=0.01)。【結語】救命救急センターでの人生の最終段階における医療体制整備は地域・病院間で格差があり,臓器提供件数が少ない病院や都道府県で体制の整備が遅れている傾向が示された。人生の最終段階における医療体制整備を医療計画に基づいて支援することは臓器提供機会の適正化に寄与する可能性が示唆された。","PeriodicalId":19346,"journal":{"name":"Nihon Kyukyu Igakukai Zasshi: Journal of Japanese Association for Acute Medicine","volume":"14 ","pages":""},"PeriodicalIF":0.0,"publicationDate":"2024-04-01","publicationTypes":"Journal Article","fieldsOfStudy":null,"isOpenAccess":false,"openAccessPdf":"","citationCount":null,"resultStr":null,"platform":"Semanticscholar","paperid":"140765782","PeriodicalName":null,"FirstCategoryId":null,"ListUrlMain":null,"RegionNum":0,"RegionCategory":"","ArticlePicture":[],"TitleCN":null,"AbstractTextCN":null,"PMCID":"","EPubDate":null,"PubModel":null,"JCR":null,"JCRName":null,"Score":null,"Total":0}
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期刊
Nihon Kyukyu Igakukai Zasshi: Journal of Japanese Association for Acute Medicine
全部 Acc. Chem. Res. ACS Applied Bio Materials ACS Appl. Electron. Mater. ACS Appl. Energy Mater. ACS Appl. Mater. Interfaces ACS Appl. Nano Mater. ACS Appl. Polym. Mater. ACS BIOMATER-SCI ENG ACS Catal. ACS Cent. Sci. ACS Chem. Biol. ACS Chemical Health & Safety ACS Chem. Neurosci. ACS Comb. Sci. ACS Earth Space Chem. ACS Energy Lett. ACS Infect. Dis. ACS Macro Lett. ACS Mater. Lett. ACS Med. Chem. Lett. ACS Nano ACS Omega ACS Photonics ACS Sens. ACS Sustainable Chem. Eng. ACS Synth. Biol. Anal. Chem. BIOCHEMISTRY-US Bioconjugate Chem. BIOMACROMOLECULES Chem. Res. Toxicol. Chem. Rev. Chem. Mater. CRYST GROWTH DES ENERG FUEL Environ. Sci. Technol. Environ. Sci. Technol. Lett. Eur. J. Inorg. Chem. IND ENG CHEM RES Inorg. Chem. J. Agric. Food. Chem. J. Chem. Eng. Data J. Chem. Educ. J. Chem. Inf. Model. J. Chem. Theory Comput. J. Med. Chem. J. Nat. Prod. J PROTEOME RES J. Am. Chem. Soc. LANGMUIR MACROMOLECULES Mol. Pharmaceutics Nano Lett. Org. Lett. ORG PROCESS RES DEV ORGANOMETALLICS J. Org. Chem. J. Phys. Chem. J. Phys. Chem. A J. Phys. Chem. B J. Phys. Chem. C J. Phys. Chem. Lett. Analyst Anal. Methods Biomater. Sci. Catal. Sci. Technol. Chem. Commun. Chem. Soc. Rev. CHEM EDUC RES PRACT CRYSTENGCOMM Dalton Trans. Energy Environ. Sci. ENVIRON SCI-NANO ENVIRON SCI-PROC IMP ENVIRON SCI-WAT RES Faraday Discuss. Food Funct. Green Chem. Inorg. Chem. Front. Integr. Biol. J. Anal. At. Spectrom. J. Mater. Chem. A J. Mater. Chem. B J. Mater. Chem. C Lab Chip Mater. Chem. Front. Mater. Horiz. MEDCHEMCOMM Metallomics Mol. Biosyst. Mol. Syst. Des. Eng. Nanoscale Nanoscale Horiz. Nat. Prod. Rep. New J. Chem. Org. Biomol. Chem. Org. Chem. Front. PHOTOCH PHOTOBIO SCI PCCP Polym. Chem.
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