{"title":"Lemierre症候群に敗血症性肺塞栓症と脳膿瘍を合併した1例(A case study on Lemierre syndrome complicated by septic pulmonary emboli and brain abscess)","authors":"天神 久実, 冨沢 夏美, 長友 一樹, 中尾 隼三, 榎本 有希, 下條 信威, 井上 貴昭","doi":"10.1002/jja2.12894","DOIUrl":"https://doi.org/10.1002/jja2.12894","url":null,"abstract":"Lemierre症候群は,咽頭炎または扁桃炎罹患後に菌血症および転移感染を伴う内頸静脈の敗血症性血栓性静脈炎を発症する疾患である。遠隔転移巣としては肺や関節が多く,中枢神経系合併症は報告されているものの頻度は稀である。今回我々は,肺に加えて中枢神経系にも合併症を認めた症例を経験したので報告する。症例は生来健康で基礎疾患のない24歳の男性。第1病日に発熱,咽頭痛を認め,第7病日に右扁桃周囲膿瘍が疑われ前医に緊急入院となった。第10病日に右内頸静脈内に血栓を認めLemierre症候群と診断され,第12病日に敗血症性肺塞栓症を認め当院へ転院した。血液培養でFusobacterium necrophorumが検出され,右扁桃周囲膿瘍の切開排膿,抗菌薬投与,抗凝固療法により経日的に自覚症状は改善した。しかし第33病日に実施した全身造影CTで新規に右後頭葉に脳膿瘍を認めた。抗菌薬治療の継続で病巣は消失し,後遺症を残すことなく第48病日に自宅退院した。本症例では有効な抗菌薬投与の遅れが重症化した原因の可能性がある。Lemierre症候群で脳膿瘍が合併することは稀だが,死亡例や重篤な後遺障害を生じることがあり,注意深い病変検索が重要である。","PeriodicalId":19346,"journal":{"name":"Nihon Kyukyu Igakukai Zasshi: Journal of Japanese Association for Acute Medicine","volume":"61 22","pages":""},"PeriodicalIF":0.0,"publicationDate":"2024-04-01","publicationTypes":"Journal Article","fieldsOfStudy":null,"isOpenAccess":false,"openAccessPdf":"","citationCount":null,"resultStr":null,"platform":"Semanticscholar","paperid":"140795506","PeriodicalName":null,"FirstCategoryId":null,"ListUrlMain":null,"RegionNum":0,"RegionCategory":"","ArticlePicture":[],"TitleCN":null,"AbstractTextCN":null,"PMCID":"","EPubDate":null,"PubModel":null,"JCR":null,"JCRName":null,"Score":null,"Total":0}
{"title":"ナッツ類を摂取したことにより摂食てんかんを発症した1症例(A case of eating epilepsy characterized by an epilepsy attack that occurred following the consumption of nuts)","authors":"早川 翔, 大塚 剛, 古谷 良輔","doi":"10.1002/jja2.12885","DOIUrl":"https://doi.org/10.1002/jja2.12885","url":null,"abstract":"反射性てんかんとは,特定の刺激によりてんかん発作を生じる疾患であり,そのなかの一つに食事を摂取することで生じる摂食てんかんがある。本症例の患者は40歳代の男性,夕食摂取後に痙攣発作が認められたため救急要請された。以前にも同様の主訴で救急搬送された経緯があった。詳細な病歴聴取の結果,いずれもナッツ類を摂取した後の発症であり,ナッツ類を摂取したことによる摂食てんかんの診断となった。摂食てんかんは報告数が少ない稀な疾患であり,ナッツ類を契機としたものは調べた範囲では報告がなかった。発生機序の詳細は不明であるが現時点で側頭葉辺縁領域や辺縁外領域の関与が考えられている。検査所見に特異的なものはなく,鑑別疾患が主な診断方法となる。鑑別すべき疾患としてはアナフィラキシーと症候性痙攣が挙げられ,診断にはそれぞれの疾患の特徴を理解し,患者からの過去の痙攣の既往,直前に摂取した食事の内容,以前にその食事を摂取したときに痙攣や意識障害を発症したかどうか,アレルギー歴などの詳細な病歴聴取が重要である。","PeriodicalId":19346,"journal":{"name":"Nihon Kyukyu Igakukai Zasshi: Journal of Japanese Association for Acute Medicine","volume":"45 1","pages":""},"PeriodicalIF":0.0,"publicationDate":"2024-02-29","publicationTypes":"Journal Article","fieldsOfStudy":null,"isOpenAccess":false,"openAccessPdf":"","citationCount":null,"resultStr":null,"platform":"Semanticscholar","paperid":"140414576","PeriodicalName":null,"FirstCategoryId":null,"ListUrlMain":null,"RegionNum":0,"RegionCategory":"","ArticlePicture":[],"TitleCN":null,"AbstractTextCN":null,"PMCID":"","EPubDate":null,"PubModel":null,"JCR":null,"JCRName":null,"Score":null,"Total":0}
{"title":"カフェイン中毒により脳虚血を来し,片麻痺症状を呈したと考えられた1例(A case of hemiplegia caused by cerebral ischemia due to caffeine intoxication)","authors":"南和 伸, 高端 恭輔, 鵜飼 勲, 重安 奈央子, 中川 雄公","doi":"10.1002/jja2.12888","DOIUrl":"https://doi.org/10.1002/jja2.12888","url":null,"abstract":"既往にうつ病のある43歳の女性が,カフェイン含有の市販薬を大量内服し,当院に救急搬送された。来院時,交感神経亢進型のトキシドロームを認め,病歴からカフェイン中毒と診断した。カフェインの摂取量は致死量となりうる8g相当であったため,気管挿管のうえ活性炭投与に加えて緊急で血液濾過透析を行う方針とした。持続的血液濾過透析後,速やかに洞性頻脈は改善し,第8病日に抜管できた。抜管後に入院時に認めなかった右上下肢の不全麻痺が明らかとなったことから,頭部MRIを撮影したところ,左淡蒼球と一部内包後脚にかかる部位に拡散強調画像で高信号,FLAIR像で高信号の病変を認めた。MRAでは主血管の病変は認めず,高用量のカフェインによる脳虚血を疑い,保存的治療の方針とした。1週間後の頭部MRI再検では,拡散強調画像とFLAIR像での信号変化は軽減していた。経時的に右上下肢不全麻痺は改善を認めた。カフェインは中枢神経作用としてアデノシンA1,A2A受容体拮抗作用を示し,脳血管の収縮を来すことから,高用量の摂取により脳虚血を起こす可能性が考えられた。淡蒼球は虚血に脆弱な部位であり,本症例の画像所見として表れたと考えられた。カフェイン中毒では脳血管収縮から脳虚血を来し,片麻痺などの中枢神経症状を呈する可能性があり,注意が必要である。","PeriodicalId":19346,"journal":{"name":"Nihon Kyukyu Igakukai Zasshi: Journal of Japanese Association for Acute Medicine","volume":"17 21","pages":""},"PeriodicalIF":0.0,"publicationDate":"2024-02-29","publicationTypes":"Journal Article","fieldsOfStudy":null,"isOpenAccess":false,"openAccessPdf":"","citationCount":null,"resultStr":null,"platform":"Semanticscholar","paperid":"140413052","PeriodicalName":null,"FirstCategoryId":null,"ListUrlMain":null,"RegionNum":0,"RegionCategory":"","ArticlePicture":[],"TitleCN":null,"AbstractTextCN":null,"PMCID":"","EPubDate":null,"PubModel":null,"JCR":null,"JCRName":null,"Score":null,"Total":0}
{"title":"心停止蘇生後の低体温療法によって電気的ストームを生じた早期再分極症候群の1例(A case of early repolarization syndrome in which hypothermia after cardiopulmonary resuscitation resulted in development of an electrical storm)","authors":"鈴木 喬之, 早川 峰司, 山田 侑可子, 松本 悠, 本間 慶憲","doi":"10.1002/jja2.12890","DOIUrl":"https://doi.org/10.1002/jja2.12890","url":null,"abstract":"症例は20歳の男性。夜間就寝中に突然呻吟と意識消失を認めたため,家族が救急要請した。救急隊到着時は無脈性電気活動(pulseless electrical activity: PEA)であり,アドレナリンの静脈内投与を行ったものの心拍再開せずに搬入された。来院時,心電図はPEAであったが気管挿管,アドレナリン投与により心拍再開した。心拍再開後,12誘導心電図にJ波や明らかなST変化はみられなかった。意識レベルの改善が見られず,挿管・鎮静下に低体温療法を開始した。低体温療法開始1時間半後から心室細動(ventricular fibrillation: VF)が生じ,その後電気的ストームとなったため,抗不整脈薬を投与し電気的除細動を繰り返した。12誘導心電図を再検したところJ波が広範な誘導に出現していた。冠動脈造影検査では冠動脈に狭窄はなく,アセチルコリン負荷試験でも冠動脈の亜閉塞や完全閉塞は認めなかった。冠動脈造影検査後,低体温療法を中止し平温療法を開始した。平温療法開始後,J波は消失しその後VFを生じることはなかった。今回,心肺停止蘇生後の低体温療法によってJ波が顕在化し,電気的ストームを生じた早期再分極症候群の症例を経験し,特発性VFによる心停止蘇生後に低体温療法をする際にはJ波の出現に注意する必要があると考えられたため,報告する。","PeriodicalId":19346,"journal":{"name":"Nihon Kyukyu Igakukai Zasshi: Journal of Japanese Association for Acute Medicine","volume":"19 32","pages":""},"PeriodicalIF":0.0,"publicationDate":"2024-02-29","publicationTypes":"Journal Article","fieldsOfStudy":null,"isOpenAccess":false,"openAccessPdf":"","citationCount":null,"resultStr":null,"platform":"Semanticscholar","paperid":"140409409","PeriodicalName":null,"FirstCategoryId":null,"ListUrlMain":null,"RegionNum":0,"RegionCategory":"","ArticlePicture":[],"TitleCN":null,"AbstractTextCN":null,"PMCID":"","EPubDate":null,"PubModel":null,"JCR":null,"JCRName":null,"Score":null,"Total":0}
広範囲熱傷患者は容易に低体温に陥り,その時の熱産生能力が患者の生命予後と関与している。自力で熱産生することができない熱傷患者を復温させることは非常に困難である。しかし,近年,直接血液を加温する装置(中心静脈留置型経皮的体温調節システム)が軽量・簡易化されており,迅速に復温させることが可能となった。今回我々は,低体温に陥り復温困難であった重症熱傷症例に対して,この装置を用いて迅速な復温と体温管理を行い,救命することができたので報告する。症例はburn index 33,prognostic burn index 95の広範囲熱傷患者(62歳の男性)が,第8病日に熱傷感染創が原因で敗血症性ショックに陥り,当院に転院となった。来院後,ガーゼ交換後に38.5℃から34.8℃まで急激に体温が低下した。通常の加温では復温困難であったため,予定していたデブリードマンを中止して,中心静脈留置型経皮的体温調節システムを用いて迅速な復温と体温管理を行った。来院から24時間後に37℃に復温したことを確認して感染創のデブリードマンを行い,その後数回の手術を経て救命することができた。低体温から速やかに復温することができない広範囲熱傷患者に対しては,中心静脈留置型経皮的体温調節システムを用いて直接血液を加温して復温させることが有効な治療手段となりうる。
{"title":"復温困難であった広範囲熱傷患者に対して,中心静脈留置型経皮的体温調節システムを用いて迅速な復温と体温管理を行い,救命に成功した1例(A case of successful rapid rewarming using an intravascular temperature management system in a patient with extensive burns)","authors":"廣瀬 智也, 塩崎 忠彦, 清水 健太郎, 福岡 大史, 酒井 智彦, 島崎 淳也, 織田 順","doi":"10.1002/jja2.12884","DOIUrl":"https://doi.org/10.1002/jja2.12884","url":null,"abstract":"広範囲熱傷患者は容易に低体温に陥り,その時の熱産生能力が患者の生命予後と関与している。自力で熱産生することができない熱傷患者を復温させることは非常に困難である。しかし,近年,直接血液を加温する装置(中心静脈留置型経皮的体温調節システム)が軽量・簡易化されており,迅速に復温させることが可能となった。今回我々は,低体温に陥り復温困難であった重症熱傷症例に対して,この装置を用いて迅速な復温と体温管理を行い,救命することができたので報告する。症例はburn index 33,prognostic burn index 95の広範囲熱傷患者(62歳の男性)が,第8病日に熱傷感染創が原因で敗血症性ショックに陥り,当院に転院となった。来院後,ガーゼ交換後に38.5℃から34.8℃まで急激に体温が低下した。通常の加温では復温困難であったため,予定していたデブリードマンを中止して,中心静脈留置型経皮的体温調節システムを用いて迅速な復温と体温管理を行った。来院から24時間後に37℃に復温したことを確認して感染創のデブリードマンを行い,その後数回の手術を経て救命することができた。低体温から速やかに復温することができない広範囲熱傷患者に対しては,中心静脈留置型経皮的体温調節システムを用いて直接血液を加温して復温させることが有効な治療手段となりうる。","PeriodicalId":19346,"journal":{"name":"Nihon Kyukyu Igakukai Zasshi: Journal of Japanese Association for Acute Medicine","volume":"11 23","pages":""},"PeriodicalIF":0.0,"publicationDate":"2024-02-29","publicationTypes":"Journal Article","fieldsOfStudy":null,"isOpenAccess":false,"openAccessPdf":"","citationCount":null,"resultStr":null,"platform":"Semanticscholar","paperid":"140410382","PeriodicalName":null,"FirstCategoryId":null,"ListUrlMain":null,"RegionNum":0,"RegionCategory":"","ArticlePicture":[],"TitleCN":null,"AbstractTextCN":null,"PMCID":"","EPubDate":null,"PubModel":null,"JCR":null,"JCRName":null,"Score":null,"Total":0}
{"title":"新型コロナウイルス感染を契機に発症した気管支動脈瘤破裂による呼吸不全に対しVV–ECMOを導入し救命し得た1例(Alveolar hemorrhage due to rupture of multiple bronchial aneurysms complicated with corona virus disease 2019 successfully treated with veno–venous extracorporeal membrane oxygenation: a case report)","authors":"長木 紗矢果, 湯川 高寛, 大坪 里織, 山際 武志","doi":"10.1002/jja2.12886","DOIUrl":"https://doi.org/10.1002/jja2.12886","url":null,"abstract":"気管支動脈瘤は稀な疾患であり,気管支動脈瘤破裂は致死的大量喀血の原因となりうる。症例は69歳の男性。呼吸困難と右胸痛,喀血を主訴に当院に搬送された。来院時38℃台の発熱がありSARS–CoV–2抗原検査が陽性であったためcoronavirus disease 2019(COVID–19)と診断した。搬送時より低酸素血症が顕著であり直ちに迅速導入気管挿管し人工呼吸管理を開始したが,危機的低酸素血症が遷延していたため緊急でveno–venous extracorporeal membrane oxygenation(VV–ECMO)を導入した。呼吸状態が安定したのちに喀血の原因検索目的に胸腹部造影CT検査を施行したところ,左右気管支動脈共通幹に動脈瘤を認めた。気管支動脈の血管造影検査を行い,責任病変を特定して経皮的塞栓術を行った。第7病日にVV–ECMO,続いて人工呼吸管理を終了し,理学療法などを行い第14病日に自宅退院した。本症例ではCOVID–19感染を契機に未診断の多発気管支動脈瘤が破裂したことで発症した危機的低酸素血症に対してVV–ECMO導入により患者の救命に成功した。COVID–19は血管内皮障害に伴って気管支動脈瘤破裂を引き起こす可能性があり,注意が必要である。","PeriodicalId":19346,"journal":{"name":"Nihon Kyukyu Igakukai Zasshi: Journal of Japanese Association for Acute Medicine","volume":"22 47","pages":""},"PeriodicalIF":0.0,"publicationDate":"2024-02-29","publicationTypes":"Journal Article","fieldsOfStudy":null,"isOpenAccess":false,"openAccessPdf":"","citationCount":null,"resultStr":null,"platform":"Semanticscholar","paperid":"140409569","PeriodicalName":null,"FirstCategoryId":null,"ListUrlMain":null,"RegionNum":0,"RegionCategory":"","ArticlePicture":[],"TitleCN":null,"AbstractTextCN":null,"PMCID":"","EPubDate":null,"PubModel":null,"JCR":null,"JCRName":null,"Score":null,"Total":0}
{"title":"査読者一覧","authors":"","doi":"10.1002/jja2.12889","DOIUrl":"https://doi.org/10.1002/jja2.12889","url":null,"abstract":"","PeriodicalId":19346,"journal":{"name":"Nihon Kyukyu Igakukai Zasshi: Journal of Japanese Association for Acute Medicine","volume":"41 8","pages":""},"PeriodicalIF":0.0,"publicationDate":"2024-02-01","publicationTypes":"Journal Article","fieldsOfStudy":null,"isOpenAccess":false,"openAccessPdf":"","citationCount":null,"resultStr":null,"platform":"Semanticscholar","paperid":"139687408","PeriodicalName":null,"FirstCategoryId":null,"ListUrlMain":null,"RegionNum":0,"RegionCategory":"","ArticlePicture":[],"TitleCN":null,"AbstractTextCN":null,"PMCID":"","EPubDate":null,"PubModel":null,"JCR":null,"JCRName":null,"Score":null,"Total":0}
患者是一名 22 岁的男子,既往无病史,也无家族病史。在接种第三剂冠状病毒改性尿苷 RNA 疫苗后的第二天,他出现发热和胸部不适,并到邻近的一家医疗机构就诊,但被送回家中,心电图未见异常。接种疫苗后第二天,他的胸痛加剧,被送到我院。入院时,患者发热,胸痛加剧,心电图 ST 段抬高,心肌肌钙蛋白 T 和人脑钠尿肽前体 N 端片段升高,怀疑患冠状病毒疫苗相关性心肌炎。入院 7 小时后,患者突然出现心室颤动。患者仅靠胸外按压就恢复了窦性心律,但由于反复室颤和左心室射血分数明显降低,于是采用了静脉-动脉体外膜肺氧合(VA-ECMO)。此后,患者的心功能得到改善,第 4 天脱离 VA-ECMO 并在第 28 天出院回家。疫苗相关性心肌炎与全身性心肌炎一样会迅速恶化,因此有必要进行仔细的随访和监测。
{"title":"コロナウイルスm–RNAワクチンに関連する可能性がある劇症型心筋炎をV–A ECMOにより救命し社会復帰できた1例(Fulminant myocarditis with possible association to coronavirus m–RNA vaccine and full recovery after veno–arterial extracorporeal membrane oxygenation (VA–ECMO): Case report)","authors":"松本 悠, 鈴木 喬之, 中嶋 拓磨, 水柿 明日美, 小林 雄太, 佐藤 琢真, 早川 峰司","doi":"10.1002/jja2.12883","DOIUrl":"https://doi.org/10.1002/jja2.12883","url":null,"abstract":" 症例は22歳男性,特記すべき既往,家族歴はない。コロナウイルス修飾ウリジンRNAワクチンの3回目接種を行った翌日,発熱と胸部違和感を認め,近隣医療機関を受診したが,心電図異常なく帰宅となった。接種翌々日に胸痛が増悪し当院に搬入された。搬入時は発熱と増悪する胸痛,心電図上でST上昇を認め,心筋トロポニンTおよびヒト脳性ナトリウム利尿ペプチド前駆体N端フラグメントの上昇を認め,コロナウイルスワクチンに関連する心筋炎の疑いとして入院とした。入院7時間後に突如,心室細動を認めた。胸骨圧迫のみで洞調律へ復帰したが,複数回心室細動を繰り返し,左室駆出率も著明に低下したため,静脈–動脈体外式膜型人工肺(veno arteria extracorporeal membrane oxygenation: VA–ECMO)を導入した。その後,心機能は改善し,第4病日にVA–ECMO離脱,第28病日に自宅退院となった。ワクチン関連の心筋炎は一般的な心筋炎と同様に急速に増悪する可能性があり,モニタリングを行いながら,慎重な経過観察が必要と思われる。","PeriodicalId":19346,"journal":{"name":"Nihon Kyukyu Igakukai Zasshi: Journal of Japanese Association for Acute Medicine","volume":"127 ","pages":""},"PeriodicalIF":0.0,"publicationDate":"2024-02-01","publicationTypes":"Journal Article","fieldsOfStudy":null,"isOpenAccess":false,"openAccessPdf":"","citationCount":null,"resultStr":null,"platform":"Semanticscholar","paperid":"139829559","PeriodicalName":null,"FirstCategoryId":null,"ListUrlMain":null,"RegionNum":0,"RegionCategory":"","ArticlePicture":[],"TitleCN":null,"AbstractTextCN":null,"PMCID":"","EPubDate":null,"PubModel":null,"JCR":null,"JCRName":null,"Score":null,"Total":0}
患者是一名 22 岁的男子,既往无病史,也无家族病史。在接种第三剂冠状病毒改性尿苷 RNA 疫苗后的第二天,他出现发热和胸部不适,并到邻近的一家医疗机构就诊,但被送回家中,心电图未见异常。接种疫苗后第二天,他的胸痛加剧,被送到我院。入院时,患者发热,胸痛加剧,心电图 ST 段抬高,心肌肌钙蛋白 T 和人脑钠尿肽前体 N 端片段升高,怀疑患冠状病毒疫苗相关性心肌炎。入院 7 小时后,患者突然出现心室颤动。患者仅靠胸外按压就恢复了窦性心律,但由于反复室颤和左心室射血分数明显降低,于是采用了静脉-动脉体外膜肺氧合(VA-ECMO)。此后,患者的心功能得到改善,第 4 天脱离 VA-ECMO 并在第 28 天出院回家。疫苗相关性心肌炎与全身性心肌炎一样会迅速恶化,因此有必要进行仔细的随访和监测。
{"title":"コロナウイルスm–RNAワクチンに関連する可能性がある劇症型心筋炎をV–A ECMOにより救命し社会復帰できた1例(Fulminant myocarditis with possible association to coronavirus m–RNA vaccine and full recovery after veno–arterial extracorporeal membrane oxygenation (VA–ECMO): Case report)","authors":"松本 悠, 鈴木 喬之, 中嶋 拓磨, 水柿 明日美, 小林 雄太, 佐藤 琢真, 早川 峰司","doi":"10.1002/jja2.12883","DOIUrl":"https://doi.org/10.1002/jja2.12883","url":null,"abstract":" 症例は22歳男性,特記すべき既往,家族歴はない。コロナウイルス修飾ウリジンRNAワクチンの3回目接種を行った翌日,発熱と胸部違和感を認め,近隣医療機関を受診したが,心電図異常なく帰宅となった。接種翌々日に胸痛が増悪し当院に搬入された。搬入時は発熱と増悪する胸痛,心電図上でST上昇を認め,心筋トロポニンTおよびヒト脳性ナトリウム利尿ペプチド前駆体N端フラグメントの上昇を認め,コロナウイルスワクチンに関連する心筋炎の疑いとして入院とした。入院7時間後に突如,心室細動を認めた。胸骨圧迫のみで洞調律へ復帰したが,複数回心室細動を繰り返し,左室駆出率も著明に低下したため,静脈–動脈体外式膜型人工肺(veno arteria extracorporeal membrane oxygenation: VA–ECMO)を導入した。その後,心機能は改善し,第4病日にVA–ECMO離脱,第28病日に自宅退院となった。ワクチン関連の心筋炎は一般的な心筋炎と同様に急速に増悪する可能性があり,モニタリングを行いながら,慎重な経過観察が必要と思われる。","PeriodicalId":19346,"journal":{"name":"Nihon Kyukyu Igakukai Zasshi: Journal of Japanese Association for Acute Medicine","volume":"2 4","pages":""},"PeriodicalIF":0.0,"publicationDate":"2024-02-01","publicationTypes":"Journal Article","fieldsOfStudy":null,"isOpenAccess":false,"openAccessPdf":"","citationCount":null,"resultStr":null,"platform":"Semanticscholar","paperid":"139889458","PeriodicalName":null,"FirstCategoryId":null,"ListUrlMain":null,"RegionNum":0,"RegionCategory":"","ArticlePicture":[],"TitleCN":null,"AbstractTextCN":null,"PMCID":"","EPubDate":null,"PubModel":null,"JCR":null,"JCRName":null,"Score":null,"Total":0}